叔父の形見のNikon F2

昨年夏。叔父が急死した。

お盆で遊びに行ったとき、部屋に呼ばれて「好きなの一台、持っていきな」と。その二日後に倒れてそのまま逝ってしまった。まるで私を来るのを待っていたかのような。

このF2は、私が中学の時に叔父がメインで使っていた機材。正月に老人ホームの書初めを取材に連れて行ってくれた際に使っていて、帰りの地下鉄で叔父をスナップしたときに傍らに映っていたものだ。

ここ数年間は、本業の仕事に追われて撮影もろくにできない。けれど、「写すのやめるなよ」と言ってくれたのかな。中にはイルフォードのモノクロを入れている。

カラーネガにしていないのは、叔父との思い出はモノクロ写真だから。そして、DPEに出さずとも自分で現像できるから。

この時代のカメラは、取説がなくても使い方は迷わない。パシャパシャ撮るわけではないけど、カウンターは25枚目。もう少しだね。