リバーサルフィルムのこと①

モノクロームネガフィルム、カラーネガフィルム主体でずっと撮影してきた。過去に1度だけカラーリバーサルフィルムを使用したことがあった。社会人になって2年後のことだ。
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特段、フィルムに関しては無頓着にネガを使ってきた。何故突然なのかは記憶が定かではない。OM-1に装填して冬の菅野温泉に出掛けた。
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北海道にはエゾシカ食物連鎖の最上段に位置しており、かの旭山動物園園長曰く、生態系の破壊が見られるとのこと。要するに、エゾシカを食べる狼が絶滅してしまったために、森林への食害が顕著なのだ。日本最大の哺乳類である羆は肉食ではないので、エゾシカと共存しているのだ。北海道の山道で彼らを探すのは、比較的容易である。
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曇天の冬空で一瞬だけ夕日が映えた。ほのかなオレンジ色が雪原を照らした。デジタルと違い、色温度の設定はできない(厳密にはフィルターワークで可能となるのだが、当然、フィルターはスカイライト、UV、PLの3種しか持っていない)ため、現像の仕上がりで確認することになる。今回は結構気に入った色調となりました。光線状態を待った甲斐がありました。
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翌朝、近辺を散策して撮影。レンズは「D.ZUIKO 28mm F1:3.5」。中二の時、お年玉と小遣いをためて買った。値段は1万2千円位だった。交換レンズの中では、「安い」レンズだが、写りは1級品だ。逆光には弱いがフレアも味のうち。周辺光量も味のうち。個性の掴みやすいレンズなので、期待通りの仕上がりが予測できる。
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宿に戻って「さぁ、朝風呂だ」と思い、廊下を歩いていると、裏手の山にエゾシカの群れが来ていた。こちらは標準レンズにケンコーテレプラスを咬ませて撮影した。
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リバーサルで感心したのは、この写真。ネガだといかにも「モノトーン」なのだが、微妙な色のニュアンスがしっかりと再現されるのだ。ネガは「寒々とした冬景色」となるのだが、ポジは「春を待つ木々の生命力」まで再現するのだ。